(1)水田由来のメタンガス放出抑制のための水管理

 水田からは温室効果ガスの一種であるメタンが放出されています。水田に水が張られた湛水状態が続くと、土壌が還元状態になりメタン生成菌が活動し始めるため、定期的に水を落として酸化状態にすることがメタン放出抑制にとって有効です。イネの生育と環境保全の両方の面から水管理は重要であり、土壌中の水の移動現象やそれに付随する物質の移動にも注目しながら、地域ごとの最適な環境配慮型の水田水管理を考えていきたいと思います。

図 水田土壌からメタンガスが放出するメカニズム
(2)施設園芸における夏季の高温対策と光環境評価

 ビニールハウスなどの施設園芸における夏季の高温対策では、一般的に遮光資材を用います。また、農作物の収量と品質の観点からハウス内の光環境が重視される中で、「直達光」や「散乱光」という概念が近年注目されています。遮光資材がハウス内の光環境(太陽光が直達光として到達しているか、散乱光として到達しているか等)、そしてさらには光環境が植物の生育に与える影響を明らかにしていきたいと考えています。

図 園芸施設における光環境の模式図