高倉研究室・客員研究員の古川真莉子さんが日本環境動物昆虫学会奨励賞を受賞しました

このたび、環境科学部客員研究員の古川真莉子さんが日本環境動物昆虫学会奨励賞を受賞しました。

日本環境動物昆虫学会奨励賞

この賞は活発な研究活動を行い将来の進歩発展が強く期待される若手研究者に贈られるものです。日本環境動物昆虫学会奨励賞受賞者として本学環境科学部客員研究員の古川さんが選ばれ、2024年11月16日に開催された年次大会活動報告会において受賞講演を行いました。

受賞研究

イラガ科2種における天敵鳥類に対する捕食回避戦略の比較生態学的研究

研究内容について

本研究は、イラガ科の2種の昆虫、在来種のイラガと外来種のヒロヘリアオイラガに対する捕食圧とその経時的な変化を、個体群生態学および行動生態学的なアプローチにより解明することを目的としたものです。研究の結果、この近縁な2種の昆虫は、天敵である野鳥からの捕食を免れるために、全く異なる戦略を取っていることが明らかになったほか、野鳥の学習によりヒロヘリアオイラガに対する捕食圧が速やかに高まったことが示されました。外来生物が侵入後しばらくは多種生物を圧倒するほどの高密度を実現した後で、急速に密度を低下させる現象がしばしば見られますが、本研究はその過程をリアルタイムで観察し、そのメカニズムを解明したものです。本研究の成果は、外来種問題の理解やその予測に応用されることが期待されます。